デリー5・デリー駅外国人窓口

デリーの夜をおたのしみ?した俺とタナカさんはホテルに戻った。タナカさんは明日アーグラー(タージマハールのある街)へ日帰り観光、俺はデリー観光の予定なのでここで別れるハズなのだが、タナカさんが「あれ?VESさん3日目にバラナシ行くんですか?…同じ飛行機のチケット取れればバラナシでも予定合わせて一緒に行動できるなぁ…」とか言い出した。


『いやいや、俺は前もってチケットとってあるけど今からじゃ無理だと思いますよ!多分無理』と俺。いや、タナカさんは全然イヤミのない人だと思うんだが、俺他人と四六時中ずっと一緒に行動してると気使っちゃって疲れるんだわ。特に俺写真撮るのに立ち止まりまくったりするし…。てかとどのつまり本音は男に頼られて旅するの面倒くさいんです。すいません。





(メインバザールのチャイ屋台。1杯5ルピー(10円くらい)。熱くて甘くてうまい。)

タナカさんと別れて次の日の朝、俺はまず旅行中に必要な鉄道のチケットをデリー駅の外国人窓口に買いに行く予定だった。前日あれほど英語もなにも通じなかった通常の窓口である。ここでチケットを揃えておかないと後々必ず苦労すると思ったのだ。
が、泊まっていたホテルにコンシェルジュが朝から夕方までくることになっていたらしく(大してでかいホテルでもないのだが)、そこのインド人オヤジにチケットの価格を聞いてみた。駅まで行かなくともここで済むなら話が早い。

ジョードプルとアーグラーいってデリーに戻りたいんだけど』と言うと、オヤジは電卓でトータル2500ルピーという値段をはじき出した。5000円くらい…?結構するな。こりゃ窓口でも値段調べた方がいいってことで、やっぱり駅に向かう。






(メインバザール入口付近の貧民街(にみえる)。アンモニアの臭いと野良犬が跋扈している)




(駅の電光掲示板。インドの文字ってのは韓国語と同じくどれも同じに見えるわ)




駅の二階へ。この時間は外国人窓口も開いてるし、変なインド人も陣取っていない。


中に入ると外の窓口とはうって変わった小奇麗なオフィスのような部屋になっていて、奥にあるカウンターで英語のわかる窓口に相談しチケットを買うことができる。中央に順番を待つソファーがあるが、予想に反して3人ほどの待ちがいるだけで混んでない。うむ。ここでならスムーズにチケットが買えそうだぞ。…と、ソファに座り室内を物色していると、向かいのソファにボンキュッボン!で上半身白タンクトップの白人姉さんが一人でインドのガイドブックを読んでいた。


ベトナムなどもそうだがインドも白人のバックパッカーが多い。日本人が長い時間をかけて欧州に旅行に行きたがるように、彼等の国からするとアジアは遠くて神秘的な雰囲気のある国なのかもしれない。




てか、いやいやそんな話はどうでもいいんだよ!これチャンスだろ!白人の中々かわいいねーちゃんが一人でインド旅行。ガイドブックを目を皿のようにして見ているという事はインド慣れもしていなく、不安もあるはず!




『どこに行かれるんですか?あ、○○ですかぁ〜!奇遇ですね。ちょうど俺も一緒の場所いくつもりだったんですよ。いや〜インド僕も初めてなんですが、中々物騒なところっすね〜。あ、よかったらご一緒します?ww』


その会話から始まる出会いと恋愛イベントの数々。そしてついに行き着くところまで行ってしまう二人…!w ここまで考えるのに5秒ほど。男は旅先でなぜかこんな妄想を疑わない。今後の旅程は脳内でいったん白紙に戻っていた。


脳内プラン完了!よっしゃブクロのナンパマジシャンと異名を取った俺の実力見せてやんよ!!w と、腰を浮かしかけた時。












「ジョディ〜やっとチケット取れたよ〜」 「あんダーリン(ハート)!」ボンキュッボンの隣に腰掛けるデカイ白人男性。










DA☆彡YO☆彡NE☆彡〜〜




DA☆彡YO☆彡NE☆彡〜〜!!




こんなKAWAIIねーちゃんが一人旅とか普通ありえないですよね〜ww(笑)ちょっと考えればわかるよね〜!!(涙)


あぶねえ…もう少し遅かったらあのデカイ白人男性に記憶がなくなるまでビンタされ続けるとこだった…。まあこうして人は理想とか妄想から一瞬にして現実に引き戻されるわけだな…。




しょうがないので当初の予定通りチケットを買うしかない。俺の番が回ってくると、窓口の小奇麗なインドおっさんはやはり英語がペラペラだった。数日後のチケット―(デリー<>バラナシ間は飛行機なので、デリー>ジョードプル>アーグラー>デリー)を買おうと思ったのだが、インドの旅は予定通りにはいかない―鉄道がよく止まったり遅れたりする。という言葉を思い出し、最後のアーグラー>デリー間のチケットは今は買わないでおこうと思った。この機転はしかし、後に裏目に出ることになる。


窓口のおっさんは行き先の他に時刻、特急普通などを俺に訪ね、次々とPCに入力していった。「で、お前座席の等級はどうすんの?」と聞かれる。インドの鉄道は座席の種類が細かく別れていて、エアコン付きの車両やそうでない車両、座席のみ、三段ベッド、二段ベッド、個室などがある。『二段ベッド…いやどーせ寝るだけなら三段でいいや。よろしく!』と注文するとそこで必要な情報が全て出揃ったらしく、おっさんが値段をはじき出す。900ルピーほど。

うーむやはりホテルで頼むより全然安いな…。ホテルでは手間代、ボリ代などが上乗せされていたのだろう。下の一般窓口もこのくらいスムーズに話が通じればいいのだが…。


というわけでバッチリチケットを買い揃えた俺は、デリー観光へと出かけることにした。