まあ無駄に長い話なんスけどね…

もう何年も前の話になる。俺がUltima OnlineUO)というネットゲームにハマっていた頃の話。まだテレホーダイとかあって、夜11時過ぎになると人が増えたりしてた頃の話。
よく遊ぶプレーヤーがいて、そいつは日本人だけど台湾に住んでいて、台湾から日本のシャード(サーバー)で遊んでいた。当時のお互いの連絡手段はゲーム内メールとかなくって、ICQというメッセージソフト。カッコー!っていう音が印象的。ゲームを続けてゆくうちにICQの登録者数と仲間たちは増えていった。
「vesの本メール教えてチョ。メールしよ」とある日そいつは言った。教えた数日後、初めてのメールが来た。そこそこ長い内容だった気がする。ところがアホな俺は「ゲームの中でいくらでも喋れるし長いメールし合う必要が?」と思って、確か冗談ぽくすごく短いメールを返した。奴からのメールは「短かw」とかだったと思う。その後、ゲームでは本当によく遊んだけれど、奴からはメールが来ることはなかった。
月日は流れていつしかゲームから去る者も一人、二人…。台湾のアイツもプレイスタイルの違いと、「台湾から日本のシャードに繋ぐのがラグくなってきた」というのを理由に、舞台を台湾シャードに徐々にシフトさせていって、そしていつかUOをやめたんだと思う。その時になって初めてネトゲでいつまでも一緒にはいられないって事と、奴が本当に気のいいヤツだったってわかった。UOにハマってた間はいつかそうして遊べ(ば)なくなる時が来るなんて夢にも思わなかったもんな。
あの時俺がメールにきちんとした返信をしていたら、今でも奴とはメールしたりゲームしたりするダチになれたんかな?週末の深夜、PCに一人向かっているとそんな事をたまに考えて、思い出す。電子の海は果てしなく広大で、一度連絡が取れなくなったら偶然会うなんて、奇跡のようにありえない。そもそもゲームが違ったら名前も変えるのが普通。すれ違っても気がつかないかもしれない。だから俺のゲームネームはいつもvescard。これからもなんのゲームをやってもvescard。もしその名前に覚えがある人が気付いたら、声をかけてほしいから。久しぶりだね。元気だった?あの頃が懐かしいねって、奴に言いたいから。