カニ玉


陳麻屋でしばらく天津飯をうめーうめーと食ってたら、突然ある事に気がつく。
『こ、これって実はただの玉子焼きあんかけご飯なんじゃねーの…』
陳麻屋のは口当たりのいい味こそしてるものの、卵に具はあんまり入っていないのだ。めっちゃボッタくられてるじゃねーか…!ということで家で具いっぱいの天津飯を作ろう、と…、材料買ってる途中で『やっぱカニ玉にしよ。似てるし』と路線変更することにした。
天津飯カニ玉って兄弟みたいだ。


俺には歳の少し離れた兄がいて、ガキの頃は本当によく喧嘩をしていた。両親が家にいなくて祖母しかいなかったせいもあり、家は毎日がバトルコロシアムだったし、家の前の道路でストリートファイターもやった。兄のアゴ昇龍拳決めた事もあったし、酷い時はお互い包丁を手にしてグラデュエーターになりかけた時もあった(今考えると恐ろしいな…マジで)。まあその時はお隣のお父さんが身を挺して割って入って事なきを得たんだけどな。そんな幼少期を過ごした俺なんだが、成人して今は兄とめちゃくちゃ仲がよかったりする。わからんもんだと思う。