山梨旅行・2



ホテルは石風というホテルに宿泊。いい感じに昭和バブリーな雰囲気を残した宿だった。スーパーコンパニオンとか呼べるしな。



んでこのホテルには日本庭園というのがあって、散策できるのだがその池には鯉の他に白鳥と黒鳥がいる。
白鳥はみなさんよく見たことがあると思うのだが、黒鳥つまりブラックキグナスは見たことのある人はいるだろうか?俺はない。そんなわけで『わー黒鳥だ黒鳥だ』とすっかりテンションが上がってしまったのだ俺は。




そこにこの看板である。


しかし普通はこんな看板があってもあんまり本気にしないだろう。『だって黒鳥でしょw 興奮したからなんだよww』と思って庭園の島と島を結ぶ岩の足場(足場の一つ一つは離れている)のところで黒鳥にこいこいをしていると…



「ギャーグエーッ!」


と奇声を上げつつ俺の脚に噛みついてくる黒鳥!
「ぎゃああああ!」予想外すぎる展開に声を上げる俺。黒鳥の固いくちばしの感触が脚に。あまりに驚いて足場から池に転げそうになってしまった。慌てて島の方へ逃げると、「チッもう俺のシマ荒らすんじゃねーぞ?」と言わんばかりにスィーっと泳ぎ去っていく黒鳥。な、縄張り意識高けーなアイツ…。

黒鳥が島の向こう側に見えなくなるのを確認してから俺はホテルに戻った。ってかその時にまた俺を襲おうと黒鳥がこっちに来そうになってたし。なんかもうビクビクもんである。



……俺は部屋に戻り一人落ち着いて考えていた…。
なんで俺があんな黒鳥にビビらせられなくてはならんのか。っていうか看板に注意されてたのに俺って相当マヌケ?そんなことを考えていると自分の醜態にふつふつと怒りが…。そこで俺は考えた!




きっと他の宿泊客も俺と同じように庭園に行く人がいるだろう。そこであの忌まわしい黒鳥にビビらせられる人がいるのではないか?俺はそれを横から眺めてやろうじゃないかwwと。


ホテルの庭園の入り口は大きなガラス張りの窓に面しており、これによって庭園の眺めをホテル内から見ることもできる。俺はその場所近くのソファに座り、人が来るのを待ったw
すると20代後半くらいの若夫婦が浴衣を着ながら庭園に出ていくところに出くわした。池の傍で鯉などを見た後、遠くを泳いでいる白鳥や黒鳥にも気づき指さしている。庭園の奥の島に渡ろうと岩の足場で池を渡り始めた…。するとシャアザクのように速いスピードで近づいてくる黒鳥w 自分のテリトリーへの新たな侵入者を威嚇しようとしているに違いなかった。

『いけ!いったれwww!』俺がびびくった時みたいに足をガッとやってやれ!w黒鳥さんお願いしますよ!!




「わあああーー!」


声は聞こえなかったが、そんな悲鳴を上げているに違いなかった。足元で激しい威嚇を繰り返す黒鳥に慌てふためいて入り口の方へ引き返す若夫婦。くっくっく、俺もさっき同じようにビビりましたよwwとニヤニヤしていると…『ん……??』




若旦那の方が池の傍でしゃがみこんで水中を覗いている…。はて?


どうしたんかな?と思って様子を見ていると、旦那が池に入りだして何かを拾っている。ややあってその手には濡れたスマホが…。どうやらビビッた拍子に池にスマホを水没させてしまったらしい…。


庭園の入口付近に戻りスマホを渋い顔でチェックする夫婦。壊れてしまったんだろうか?いや、最近のは防水タイプもあるから…。さっきまでの楽しそうな顔から一転してどよんとした雰囲気になっている。







う、うーーむ……。黒鳥危ないっすから気をつけた方がいいですよ!と声をかけてあげるべきだったんだろうか…。まさかスマホ落としちゃうなんてなあ…。俺もいたたまれなくなってその場を去ってしまった…。



つかあの黒鳥どんだけの人を被害にあわせてるんだよ。庭園があったら散歩してみたくなるのが人情ってもんだからな。そこであんなんでてきたらみんなビビるわ!



B級グルメグランプリに輝いたことのあるという鶏モツ煮。奥籐分店という有名らしい店にいって食べたが、俺はそんなでも…。なんかタレが甘ったるいんだよな。