人恋しい…

ちょい前に経験豊富だという猫先生の人生道場に一週間ほど入門した。色々な事を教えられた。
「あんたはさぁ、自己中なんだよ。オナニー野郎なんだよ。ちょっと話を聞いたアタシだってそう思うよ。相手の立場に立ってみた?」
いや、立ててないですね。そして自己中なのは、めちゃめちゃ思い当たる節ありますね。。ありすぎるくらいに…。
「アタシに謝られたってしょーがないよ。VES…アンタはさぁ、もっと色々な人と話すべきだよ。なに?アタシともっと話してみたい?話しやすい?バッカだねぇ…それはアタシがアンタに合わせてあげてるからだよ。そうじゃなくって、アンタが他の人と話した時に、相手の言いたい事を聞いてあげたり、相手の立場になってモノを考えられなくっちゃさぁ…VES、わかる?アタシのいってること…」




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香港は九龍半島、チムサーチョイのチョンキンマンション近くにある近代的なビルのスカイバー(っていうのか?)を訪れた。向かって香港島側のビル夜景郡がよく見える。これならピークトラムに乗る必要もないんじゃないのっていう、きらびやかな夜景。
俺についてくれたバーテンのミランは、香港の名を冠したカクテルを作った後、夜景やカクテルの写真を撮っている俺をみて「俺を撮ってよ。そして、その写真をメールで送ってくれよ」といって、サービスのカクテルと握手とにこやかな笑顔を俺にくれた。カッケェじゃねーかよ。
なんだ…猫先生のせいなのかな、すげー人恋しい。
一人で外国にいるのがすげー寂しい。ついさっき俺にたまたまついただけのミランが俺に話しかけてくれただけのことが嬉しいくらいに。


昔は一人旅の方が好きだったのになー。


チョンキンマンションに帰った後(ここに泊まっているゲストハウスがある)、一階にあるインドカレー屋でカレー弁当を買った。
「コーリア?…ああ、日本人かい。コンバンワー!シェイクハンド!待て、その弁当箱、持ちやすいようにビニール袋につめてやる。いい夜をな。またな!」
なんでシェイクハンドされただけで少し嬉しいんだろね。ホモでもないのに。

『俺は今少し酔っていてカレーが無性に食べたいが、腹はめちゃめちゃすいているわけではないのでカレー弁当は半分でいいぜ。…OK?ナイスだ』
お前めっちゃわかったって顔してたじゃねーかよ。なのにどーみてもこれハーフサイズじゃねーじゃねーかよ!お前の目はビー玉かなんかなのかよ!
うー…誰かとゆっくり話をしたい。多人数じゃなくって、ゆっくり話すことのできる誰かと。酔っているから、というだけではなくって。