写真送ってくださいね!

学生の頃低予算旅行というものがしてみたくて仙台のユースホステル青春18切符を使って旅行にいったことがある。旅館自体は値段の割にいいつくりで(見ず知らずの人と相部屋だったけど)、そこに先に宿泊していた年上のにーさん連中と夜に街の大きなアーケードに繰り出した。俺はその頃からカメラが好きで、フィルム一眼レフカメラでその様子などを撮影していた。
宿に帰ってくるとにーさんのうちの一人が「ねえねえ東京に帰ったら俺に写真送ってよ!」と住所の書いた紙を俺にくれた。いい人っぽかったので俺も「いいですよ」と紙を受け取った。
ところが、である。東京に帰った瞬間まずその人の分の写真まで焼き増すのが面倒くさくなり、宛名や手紙を書くのがもっとダルくなった。少し考えて俺は住所の書かれた紙をくずばこに捨てた。
旅行ですれ違った9割の人との関係など、旅行の楽しかった思い出が薄れていくにつれ薄くなっていく。そんなもんである。

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ところが、今回の旅行では色々な人に声をかけて写真を撮らせてもらったが、男女を問わず「写真メールで送って!」という要望を逆に出されることが多かった。中にはFacebookなどのアドレスも教えてくれたり。メールでなら、送るのは普通に楽だ。アドレスをもらった人にはぺぺっと写真をリサイズして送っておいた。返事も何通も来た。
だからといって関係が続いてゆくわけではなく、そのほとんどがかつての仙台の人達と同様にどちらからともなくフェードアウトしていくんだろう。それでいいと思う。でも写真をお礼代わりに簡単に送れるようになったのは、やっぱりちょっと嬉しいかな。




遊び慣れた都会派の女の子って感じのlineさん。俺が今回行ったナイトスポットとか飲食店とか、全部行ったことあるって言ってた。